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西伊豆・松崎町の伊豆文邸交流句会
旅人の愁思の町やなまこ壁



 鏝絵の長八美術館やなまこ壁の町並みで有名な西伊豆の松崎町で、来年から俳句大会が開催されることになり、その準備のために町の俳人たちとの交流句会が行われるというので、湘南俳句会や西神田の句会の連中と参加してきた。
 一日目は、明治13年建築の重要文化財・岩科学校や海岸の棚田、禅宗の古刹・帰一寺などを見物し、200年前に建てられた商家を改装したというなまこ壁の名旅館「山光荘」に宿泊した。
 この旅館には、土蔵の軒先などに名人・長八が作った虎や龍、雀などの鏝絵が残されており、なんとあの漫画家のつげ義春も泊まって、「長八の宿」という漫画を描いたという。酒も料理も美味いし、遠い昔が偲ばれる暖かい心遣いにあふれた旅館だった。
 翌日は、長八美術館やなまこ壁通り、中瀬邸など町の中心部を散策し、懐かしい雰囲気のある松崎の町並みを堪能した。
 商店街の各店の店先には、俳句の書かれた行灯が飾られていて、読みながら歩くと、なかなかの名句ぞろいで楽しかった。俳句大会で入賞した作品は、このように行灯に書かれて、町の観光名所や商店の前に飾られるという。


来年の三月末に行われる俳句大会では、大串章、黒田杏子、小澤實という現代俳句界を代表する先生方が選をするというから、さぞ読み応えのある面白い作品が集まることだろう。いまから楽しみだ。興味のある人は、町のホームページをのぞいてみるといい。応募要項が載っているそうだ。
 松崎といえば桜の名所としても有名だが、那賀川沿いに延々と続く桜並木は6キロもあるという。俳句大会が開催される春のお花見ごろには、さぞ素晴らしい風景が楽しめることだろう。
 町の観光協会で、この町は、片山恭一原作の「世界の中心で、愛をさけぶ」というTVドラマのロケ地になったことを知った。
 原作の舞台になった四国の宇和島には、大学時代の友人がいるので、何度か訪ねたことがあるが、そういえば松崎の町とよく似ている。
 棚田に行く途中で通った西伊豆の海岸線も愛媛の宇和海とそっくりだった。そう思うと、突然、何十年も前の思い出が次々と甦ってきて、しばしなまこ壁の前で佇んでしまった。
 交流句会は、午後一時から伊豆文邸という古い商家の奥座敷で行われた。終始和やかな雰囲気で、地元の俳人たちとも合評でき、うれしかった。
 あんなゆったりした気分で句会が楽しめるのも「俳句の町」松崎という土地柄のおかげだろう。皆様どうもありがとうございました。
 句会での主な高点句は次の通りである。
 
  塗り込めし愁思幾重や鏝絵像    迪之相
  秋蝶の海に消えゆく棚田かな    小左郎
  鱗雲大河の如く流れけり      義博
  「持ってけ」と秋刀魚一提げ浜漁師 ちづる
  彼方まで桜紅葉の風渡る      つる子
  大銀杏落葉の円を作りけり     すみえ

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未分類 | 18:45:58| Trackback(0)| Comments(0)
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