投稿日:2007-02-19 Mon
夕映えの海を真下に花菜畑
二宮・吾妻山公園の菜の花が真っ盛りだというので、見物して来た。
長い石段を登り、頂上に辿り着くと、ウワサ通りの見事な菜の花畑が広がっていた。
ここの菜の花景色の特長は、すぐ真下に海が見えることだ。青い海と菜の花の黄色とのコントラストが素晴らしい。
とくに夕暮れ時は、海に照り映える夕陽が美しく、なんともいえない荘厳な気分になる。
ふと二宮に隠棲していた俳人・原石鼎の〈頂上やことに野菊の吹かれをり〉という名句が頭に浮かんだ。
もし石鼎が存命中にこの風景を見ていたら、後世に残る菜の花の名句を歳時記に付け加えていたことだろう。
明治以降の俳人の中でただ一人、「芭蕉に迫る才能がある」といわれた不世出の大俳人、原石鼎。二宮は、その石鼎が虚子の姦計に陥り、中央俳壇を追われた後、「再起不能」といわれた病の身を養いながら「鹿火屋」を主宰し、三橋鷹女や原裕などの俊才を世に送り出した町なのだ。
淋しさにまた銅鑼打つや鹿火屋守 原石鼎
蔓踏んで一山の露動きけり
秋風や模様のちがふ皿二つ
とんぼうの薄羽ならしし虚空かな
夕鐘にさめてはねむる枯木かな
吾妻山の頂上に立ち、暮れなずむ菜の花畑を眺めながら、これらの石鼎の名吟は、俳句愛好者の宝物として、いつまでも愛誦されることだろうと思った。
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