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観音崎の燈台へ行く道
貨客船見送る崎や塔若葉



 横須賀の親戚を訪ねる用事があり、ついでに観音崎の燈台を見物して来た。
 横須賀には何度も来ているのに、観音崎へ行ったのは初めてだった。
 駐車場にクルマを置き、海岸沿いの遊歩道を燈台へ向かって歩いて行った。
 登り口の近くに、なんと西脇順三郎の立派な詩碑が建っていたので驚いた。
 西脇は、子供の遠足の付添で観音崎へ来て以来、ここがすっかり気に入ったそうだ。
 そして、この観音崎の燈台をモチーフにして、「燈台へ行く道」という詩碑に刻まれている詩をつくったという。
 
 まだ夏が終らない
 燈台へ行く道
 岩の上に椎の木の黒ずんだ枝や
 いろいろの人間や小鳥の国を考えたり
 「海の老人」が人の肩車にのって
 木の実の酒を飲んでいる話や
 キリストの伝記を書いたルナンという学者が
 少年の時みた「麻たたき」の話など
 いろいろな人間がいったことを
 考えながら歩いた 
     (西脇順三郎詩集『近代の寓話』より)


 燈台への坂道はまさにこの西脇の詩の通り、いろいろなことを考えさせる道で、鬱蒼と茂った椎の木の梢を眺めながら必死で登った。
 観音崎の燈台といえば、高峰秀子主演の「喜びも悲しみも幾歳月」という燈台守の映画の舞台になったことでも知られている。
 あれは、昭和30年代の初めの頃、小学生だった私は、当時住んでいた場末の町の三本立て50円の映画館で、その映画を見た記憶がある。
 燈台からの浦賀水道の眺めは絶景だった。どこかで見たような記憶があるのは、多分映画の中の風景だったのだろう。
 構内にはやはり観音崎の燈台で詠んだという虚子の句碑が建っていた。

  霧いかに深くとも嵐強くとも   高浜虚子
  
 この句もかなり映画の影響を受けているようで、あの大ヒットした主題歌のメロディーが聞こえてきそうだ。
 西脇の詩に比べると数段落ちると思った。
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未分類 | 17:47:23| Trackback(1)| Comments(3)