投稿日:2007-04-25 Wed
駅舎へと急く坂道や春の雷
大磯の駅から国道へ下りる坂道の途中に「ブルーマリン」というお洒落なピザハウスがあった。
友人とお茶を飲んだり、句会の懇親会で使ったりして、いろいろ思い出のある店だったのだが、昨年閉店してしまった。
早く再開してくれればいいな、と思っていたら、今年の春になって工事業者が出入りし、内外装を直し始めた。
大磯には店があまりないから、気軽に入れる喫茶店ができるといいなと楽しみにしていたら、なんと開店したのは、「芸術舎」とかいうアートスクールだったのだ。

駅前の三角屋敷もフランス料理の「ドウゼアン」から「ベント・マリーノ」というイタリア料理の店に変わったし、中華料理の滄浪閣も売却されてしまった。
思い出のある古いお店が次々と消えていくのは淋しい。
なかでもショックだったのは、漁港の近くにあったラーメン屋「幸華」がつぶれたときだった。久し振りに食べに行ったら、跡形もなくなって更地になっていたのだ。
この店は『通販生活』のカタログハウスが昔出版していた『面白生活』という雑誌の「ラーメンの店全国100選」という特集に紹介されたほど、釣り客の間で評判の美味しい店だった。
私の母と同じ位の年齢のお婆さんが店番していて、いつも愛想よく注文を聞いてくれた。
あのお婆さんは、どうしているのだろう。ちょうど通りかかった近所の主婦に聞いてみると、中井町のほうで元気に暮らしているということだった。
そういえば、『面白生活』という雑誌も「世界の猫図鑑」とか「痛快!不良老人のすすめ」とか、ユニークな特集で面白かったのだが、売れ行き不振のため、3年位で廃刊してしまった。もう少し辛抱して出し続けていれば、売れるようになったと思うが、社長さんが短気な人だから、やむを得なかったのだろう。
お店も人も雑誌も、私の好きなものはどんどん消えていく運命にあるようだ。
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投稿日:2007-04-01 Sun
彼岸まで枝垂るるさくら流れかな
京浜急行の弘明寺駅で降りて、友人と大岡川の桜並木を見物してきた。
弘明寺駅は、観音様のすぐ裏側にあり、駅前の坂道を降りると、すぐ山門に出る、門前町の門後に位置する独特の雰囲気のある駅だ。
駅も商店街もまるで観音様の境内みたいに雑然としていて一体感があり、坂東14番札所として栄えた往時を偲ばせる。
札所というと、大抵交通不便な郊外にあるのに、こういうお寺がど真ん中にある町も珍しい。どうか駅前再開発などという馬鹿なことを考えないで、いまのままの風情を保つてもらいたいと思う。再開発をして良くなったという町は見たたことがない。
活気のある商店街を通り、アーケードの途中にある酒屋でお花見用の桜ビールとかいう高価なビールを買った(なんと小瓶で600円もしたのだ。もちろん私が買ったわけではない…)。
大岡川の桜はちょうど満開で、川面を覆うように咲き誇っていた。
満開の桜に負けないくらいお花見客もいっぱいで、川沿いの遊歩道は大変な混雑。たこ焼き屋や焼鳥屋などの屋台もズラリと並び、まるで縁日みたいな雰囲気だった。
人込みや酔っ払いは嫌だ、という人もいるが、お花見は賑やかであればあるほどいいと私は思う。満開の桜並木をひとりで歩いていたら、それこそもの狂おしくなって、たましいが彼岸の世界に遊離してしまうだろう。
高価な桜ビールを飲み、幽明境を異にしながら、延々と続く川沿いの桜並木を南太田の駅まで歩いた。
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