投稿日:2006-09-28 Thu
鶏頭や産業道の分岐点
大磯方面から国道一号線を上って、相模川を渡ると綾瀬方面に向かう産業道路と交差する。
その道路をちょっと走った交差点近くの農耕地に見事な鶏頭が咲いていた。
鶏頭といえば、真っ赤な色を連想するが、その一群の花は黄色が主で、まるで人間が突っ立っているような不気味な存在感があった。
「鶏頭ほど人間的な雰囲気のある花はない」とある俳人が書いていたが、まったくその通りで、一般家庭の花壇などに植えるのは似合わない、やくざっぽい花なのだ。
鶏頭の十四五本もありぬべし 正岡 子規
人の如く鶏頭立てり二三本 前田 普羅
我去れば鶏頭も去りゆきにけり 松本たかし
鶏頭は、本当は人間に生まれるはずだった魂が、なにかの罰を受けて植物にされてしまった姿なのかも知れない、と相模川を渡りながら考えた。
相模川といえば、珍しく平塚を舞台にした小説を読んだ。
図書館で偶然手に取って、パラパラめくったら、冒頭に主人公が電車で相模川を渡るシーンがあったので、借りてきて一気に読んだ。
白川道の『終着駅』という小説で、主人公の故郷が湘南の田舎町という設定。平塚らしい町の風景が随所に出てくる。作者は平塚の出身らしい。
湘南の町でも、鎌倉とか藤沢は、よく小説や映画の舞台になるが、平塚が登場する小説は読んだ記憶がない。
内容は、中年の奇妙に優しいヤクザと盲目の女の子の恋愛小説で、なかなか面白かった。まあ、「足長おじさん」の現代ヤクザ版だと思えばよいだろう。
よく知っている平塚の町の風景描写がでてくるので、そのぶん感情移入してしまって、なんだか懐かしい気分になった。
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