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町から魚屋が消えていく
黒南風や怪魚の残る潮溜り



 駅横にコンビニができたのはいいけれど、大磯の町の商店は、ここ10年ばかりのうちにずいぶん減少してしまった。
 なかでも、魚屋の廃業ぶりが目立つ。私の知っている魚屋だけでも5〜6件なくなってしまった。昔は、掲載写真のような、いかにも漁師さんが店先につつ立っていそうな魚屋にちょっと歩けば出くわしたものだ。
 泊りがけで客が来た時などお刺身を頼んでいた魚善さんも、干物が美味しかった魚政さんもいまはない。大磯の地の魚を扱っていた魚辰さんも料理屋に変わってしまった。
 いまでも元気で営業しているのは、中里恒子の小説『時雨の記』に登場する線路沿いの魚龍さんや旧東海道沿いの魚金さんぐらいだ。ちなみに『時雨の記』は、吉永小百合主演で映画になったが、ヒロインの住所は北鎌倉に変わっていた。
 魚屋が少なくなった原因はいろいろ考えられるが、やはり郊外に「たまや」や「しまむら」などの大型スーパーが開店したことが大きいのだろう。
 みんなクルマで、郊外に買物に行ってしまう。なにしろ大型スーパーのほうが、なんでも揃っていて便利だし、値段も安い。鯵の干物だって、魚屋だと1枚200〜300円もするのが100円で買えてしまうのだ。
 魚屋ばかりでなく町の真ん中にあった老舗の吉川スーパーもやめてしまったし、古い商店が集まっていた国道一号線沿いも、コンビニばかりが目立つようになった。
 どこの町でも事情は同じだろうが、漁港のある漁師町から魚屋が消えていくのは、やはり淋しい。
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未分類 | 19:04:28| Trackback(0)| Comments(6)