投稿日:2005-09-03 Sat
鯵叩き浮世の憂さを晴らしけり
大磯のこゆるぎ海岸で沖を眺めていたら、いまにも沈没しそうな漁船が必死に波を掻き分けて港に入って行った。きっと大漁で、船が沈むほどの鯵を積み込んでいたのだろう。
掲句は、8月の湘南俳句会に欠席投句した句。
そういえば、8月は壊れたパソコンの修理やインストールに追われて、句会のことを何も書いていなかった。
慌てて句会報を引っ張り出して調べてみると、なんと今月も由美さんの句が最高点だった。
傾けて音に夢あるラムネかな 由美 10点
ラムネに象徴される子どものころの夢や希望を「音に夢ある」と、音に絞り込んで表現している点が素晴らしい。そうだ。ラムネが美味いのは、飲むときに瓶中のビー玉が転がって音をたてるからなのだ。
ビー玉の音とともに楽しかった少年時代の夏休みの思い出が甦ってきた。
ただし、上五の「傾けて」は説明的だから、「傾けし」としたほうがよい。「傾けし」が「音」と「ラムネ」の両方にかかって、より一層ラムネの味わいが深まると思う。
いずれにしても、これで由美さんは、6月の句会からなんと3ヵ月間も連続して最高点を取ったことになる。
別に点数がいっぱい入るから秀句とは限らないし、俳人として優れているとは思わないが、いい意味でも悪い意味でも「上手くなった」とはいえるだろう。多くの人の心に訴える句を、コンスタントにつくり続けるのは大変なことで、よほどの実力がなければできない。ちなみに、私の掲句は3点しか入らなかった。
その他、気になった高点句に次の句がある。
ピラミッドの謎読み解けば夜半の蝉 瑛瑠泰 9点
「ピラミッドの謎」と「夜半の蝉」との取り合わせが面白く、ミステリアスな魅力のある句だが、「読み解けば」というのはちょっと言い過ぎだろう。
まるでピラミッド研究の考古学者みたいだ。ここは一般読者として「読みをれば」ぐらいにしたほうがよいと思う。
俳句は、やっぱり句会に参加しなければ面白くない。
今月は、なんとかやりくりして久しぶりに出席するぞ。

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