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薔薇が散った……
薔薇散るやおのが崩れし貌の中

 玄関の薔薇が散った。この薔薇は、大磯へ引越して来たとき、ご近所のお屋敷からいただいたもので、真っ赤な大輪の花を咲かせてくれる。5月は私の誕生月でもあり、毎年一番楽しみにしている花だ。
 薔薇をくれたお屋敷の奥さんは、ある高名な女流画家の娘さんで、お花の大好きな人だったが、重症のリュウマチにかかり、ほとんど歩けなくなってしまった。看病していたご主人も80歳過ぎの高齢で、認知症になり、2人だけでは生活できなくなったため、いまは息子さんのいるスペインの介護施設に入院している。
 空家になった屋敷の庭には、今年も真っ赤な薔薇が咲き、ひっそりと散っていった。







未分類 | 10:03:57| Trackback(0)| Comments(2)
横浜のジャズ喫茶は変わらない
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港町徘徊したる夕焼かな

 昨日は、大学時代の友人と会い、横浜の町を散歩した。
 桜木町の野毛小路へ行ったらビックリ。まだ午後2時過ぎの真昼間なのにほとんどの呑み屋が開いていて、酔っ払いでいっぱいだった。東横線の桜木町駅の廃止で、客足が遠のいたと聞いていたが、この分ならまだまだ大丈夫だろう。
 野毛小路の中ほどにある「ダルマ水産」という居酒屋に入り、すっかりほろ酔い気分になる。「しめ鯖」がうまかった。次に「ちぐさ」というジャズ喫茶に入り、MJQを聞いた。この店は30年以上前からあり、店内も変わっていない。まるで学生時代にタイムスリップしたようで、なつかしかった……。
 生き方は千差万別街薄暑


未分類 | 11:18:14| Trackback(0)| Comments(0)
神話の崩壊
名水を詰めしボトルの薄暑かな

 ひと昔前の日本は、「水と安全は無料の国」といわれていた。そんな神話が崩壊してしまったのは、なにが原因なのだろう。一番安全だと信じていた電車でさえ、JR西日本のような大惨事を引き起こす時代なのだ。
「愛」とか「環境保護」とか、なにやら優し気な掛け声ばかり聞こえてくるが、もっと本質的に世の中の土台を支えている神話的なものが崩壊してしまったような気がする。飲料水にしても、ボトルに詰められた水を買う時代が来るなんて、私の子ども時代には考えられもしなかった。いくら水道水がまずい、といっても、飲み水が売れる日本の現代社会はどこか狂っているといえるだろう。
 そんなことを考えながら、冷蔵庫からボトルを取り出し、一口飲んだら、背中に汗がじっとりと滲んできた。

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未分類 | 08:32:14| Trackback(0)| Comments(18)
新緑の息遣い
雷雲のごとく新緑湧きにけり


湘南・大磯の山は、いまむせかえるような緑に包まれている。毎年この季節になると、樹木の旺盛な生命力、生々しい息遣いに圧倒されてしまう。
高麗山から湘南平にかけての山麓を見上げると、所々に周囲の緑とは異なるひときわ鮮やかな新緑が、まるで雲のように噴き出している。その鮮烈な美しさを詠んでみた。




未分類 | 08:45:01| Trackback(0)| Comments(12)