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〈蛮の会〉一周年記念大会
白薔薇の枝垂るる門の残りけり

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 先月の29日の祝日に、私の所属している俳句同人誌「蛮」の一周年記念大会が、横浜のプラザホテルで開催された。
 この日は以前は「みどりの日」と呼ばれていたと思うが、今年から昭和天皇を記念する意味もあって「昭和の日」と呼ぶことになったそうだ。昭和の時代も祝日になるほど遠くなったのかと思うとなんだか淋しい。
 祝日の名称がころころ変わるのも可笑しいと思うが、それはともかく、「蛮」の記念大会は盛大だった。
 池田澄子、筑紫磐井、川名つぎお、森田緑郎といった先生方や現代俳句協会の錚々たるメンバーが集まり、あらためて鹿又英一代表や金子弓湖編集長の顔の広さに感心した。発足してからわずか一年位でこれだけの大会をひらく同人誌も珍しいだろう。
 来賓の先生方の祝辞も好意的で面白かったが、とくに鹿又代表のあいさつには俳句に対する熱い思いがこめられていてなかなか印象的だった。
 久し振りに同人の皆様ともお会いでき、楽しいお酒が飲めた。
 同時に表彰式が行われた記念俳句大会の主な入賞句は次の通り。
 
 雪の降りはじめブリキの音がする    野谷真治
 着せ替えの二階の他は朧なり      裏 参道
 薄氷や冥府の厠赤づくし         渡辺洋一
 うららかや鳩は首から歩き出す      紅 椿
 よそ行きの仮面とりだす春の宵     川野ちくさ
 春寒し死者は薄着でいゝけれど     渡辺隆夫
 臍のゴマ臭う建国記念の日       東 國人
 寿ぎの言葉短く梅匂ふ          田口しのぶ
 断ち切った螺旋の記憶風光る      小林十六夜
 左心室より春潮のあふれをり      周藤迪之相

 1位になった野谷氏の句の「ブリキの音」とは、きっと昭和の日々が遠ざかる音なのだろう。 
 真昼間から酒を飲んで酔っ払っlたので、二次会のカラオケ大会には参加」せず、明るいうちに帰って来た。
 大磯の駅からほろ酔い気分でぶらぶら歩き、坂道の途中にある画家の三岸節子さんの家の前まで来ると、白い蔓薔薇が門を覆い隠すように見事に咲いていた。
 そういえば、三岸さんが亡くなったのも、確か10年ぐらい前の薔薇の咲く季節だった。
 あらためて昭和は遠くなったと思った。
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未分類 | 11:41:11| Trackback(0)| Comments(2)
横浜・三渓園の桜と鴨
戯れ合ひて鴨群れ泳ぐ桜かな



麗かな春の一日、横浜の三渓園を友人三人で吟行してきた。
ちょうど桜が満開で、園内は桜狩の客でいっぱいだった。

 おうならもはなやぎみちて桜ばな  マヤ

大池には数十羽の鴨が、まるで舞い散る花びらに酔ったように漂っていた。
鴨は渡り鳥で、春になると北方へ帰ってしまうので、
いま時分みかけるのは、「残る鴨」といわれる帰りそびれた鴨なのだが、
それにしては、ずいぶん数が多いようだ。
きっと居心地がよいので、この池に居着いてしまったのだろう。

 大池に残りし鴨の漂へり    ミチ

実業家・原三渓の邸宅があった三渓園には、
臨春閣や天寿院、聴秋閣といった国宝級の建物が点在している。
それはよいのだが、縁切り寺として有名な鎌倉の東慶寺にあった仏殿や
京都・燈明寺の本堂まで移築しているのにはビックリした。
いくら財力があるとはいえ、このような信仰に関わるものまで、
金にあかして買い取ってきていいものだろうか。
しかし、まあ考えようによっては、三渓が私物化したからこそ、
歴史的建造物として現存しているのかもしれない。
やはり昔の大金持ちは大したものだと思う。
外国のビルやゴッホの絵なんか買い漁ったバブルの頃の金持ちと比べると、
同じ日本人でも、文化に対する貢献度やスケールがちがうのだ。
京都から移築した三重塔が建つ山から、桜満開の庭園を見下ろしてつくづくそう思った。

 段踏みて花の下界に近づけり   ヒロ


帰りは桜道を歩き、本牧通りまで出てバスに乗ったが、本牧の桜並木も美しかった。
本牧にあんなに長い桜並木があるとは知らなかった。
横浜というと、日頃は横浜駅や桜木町の周辺しか行かないのだが、
まだまだ知らないところがいっぱいある奥の深い町だと思った。
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未分類 | 12:06:45| Trackback(0)| Comments(5)
徳富蘇峰記念館の梅と水仙
墨薄き久女の文や水仙花

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寒い、寒いといっているうちに節分も過ぎ、梅の花が咲く季節になった。
藤村の眠る地福寺や曽我の梅林など
毎年、この頃になると、巡り歩きたくなる梅の名所が幾つかあるが、
二宮・蘇峰記念館の梅林もそのひとつだ。
ここの梅林の特徴はなんといっても古木が多いこと。
樹齢300年になるという「臥龍梅」を初めとして、100年以上になる梅の古木が何本もある。
まだ五分咲き程度だったが、園内には梅とともに幽かな水仙の香りが漂よっていた。
ここには昔は牡丹も咲いていたそうで、
森澄雄の代表句〈ぼうたんの百のゆるるは湯のように〉は、
この記念館に吟行した際に詠んだものだそうだ。
記念館には、膨大な量の徳富蘇峰関係の資料が蔵されているが、
俳句関係の資料で忘れられないのは、杉田久女の書簡である。
久女が蘇峰と交際があったなんて、水茎の跡もうるわしいここの手紙を見て初めて知った。
坂本宮尾著の『杉田久女』によると、久女が「ホトトギス」同人を除名されたのは、
虚子に断られた句集の序文を蘇峰に依頼したためだという。
「ホトトギス王国」を築き、俳壇に君臨していた虚子にとって、
当時の文壇・言論界の最長老であった徳富蘇峰の存在は、
目の上のタンコブみたいなものだったのだろう。
「逆鱗に触れた」というのはいかにもありそうな話である。
そんなことを考えながら園内を散策していると、
青空に映える古木の梅よりも、足下に咲く水仙のほうが、よりゆかしく美しく感じられた。
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未分類 | 18:27:10| Trackback(0)| Comments(2)
神奈川新聞に載った鑑賞文
句誌欄の紹介記事や寒椿

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朝起きたら、雪が降っていた。初雪である。
ひらきかかった庭の寒椿にちらちらと舞っている。
ここは大磯の山の上で、雪などめったに降らないので驚いた。
最近はビックリするような出来事が続いている。
つい先日の日曜日(1月20日)も、出かけるついでがあって、
たまたまコンビニで買った神奈川新聞をひらいたら、
文芸面の句誌歌誌欄に、なんと私の所属する俳句誌の次のような紹介記事が載っていた。
「◇句誌『蛮』3号 周籐迪之相氏は(Tシャツは拒絶の形して干され)(金子弓湖)を
『ピンと肩を張った格好が反抗期の心情を』と。蛮の会045(491)5745、1500円」
この鹿又栄一氏代表の『蛮』は、昨年の4月に創刊され、
ついこの間、第4号が届いたばかりの新しい同人誌で、
まさか清水基吉主宰の『日矢』や今井聖主宰の『街』など
有名俳人の結社誌と並んで紹介されるとは思わなかった。
しかも、3月号が刊行されたのは、昨年の10月だから、
紹介されるまで3カ月もかかっていることになる。
それだけ、各方面から新聞社に送られてくる雑誌の数は膨大なものになるということだろう。
担当者の机上には、有名無名の歌誌や句誌が山積みになり、崩れかかっているにちがいない。
その中から、『蛮』を選び、しかも私の書いた鑑賞文をわずか数行でも引用したくれたのだと思うと、
ただただ感謝の念でいっぱいである。
これというのも、同人諸士の作品が読み応えがあり、
句誌全体が充実しているせいだと思う。
読む人は読み、評価してくれるのだと思うと心強い。

新聞の書評といえば、昨年末の朝日新聞の文芸欄で紹介されていた
原宏一氏の『床下仙人』を読んだが、とってもオモシロかった。
他人の家の床下に住み込むホームレスやニセ社員、強制靴磨きの少女などを主人公にした短編集で、正月に起こった戸越銀座事件の少年のように包丁を振り回すことはなく、その寸前で危うく日常世界に踏みとどまっているユニークで涙ぐましい現代人の生態がよく描かれている。
原氏とは以前勤めていた会社で一緒だったが、こんなに才能のある人だとは思わなかった。
今年は大ブレイクして、下半期の直木賞候補になるかもしれない。楽しみである。
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未分類 | 08:59:42| Trackback(0)| Comments(4)
初詣の頼れる神様
振舞ひの甘酒熱し初詣

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正月も早いもので、五日になってしまった。
今年の正月は特に慌しくて、家でのんびりできたのは、元旦だけだった。
なんと毎年楽しみにしている箱根駅伝すら見物できなかったのだ。
せっかく母校の早大が12年ぶりに往路優勝したというのに、
そういう年に限って応援できないというのも何かの因縁なのだろう。

昨年からどうもツキがないようなので、ゲン直しに、初詣に出かけようと思い、昨年、友人の戸部民夫氏からいただいた『頼れる神様大辞典』という氏の著作を参考に、大磯近辺の頼れる神様を捜したのだが、適当な神社が見つからなかった。
この本は「健康」や「恋愛」「金銭」など悩みの種類別に頼りになる神様を紹介している大変有益な辞典なのだが、どうやら大磯には、私を助けてくれる神様はいないようだ。
で、自宅から一番近い御岳神社と白岩神社という二つの神社をお参りしてきた。
元旦のお昼過ぎに行ったので、両神社とも閑散としていたが、御岳神社ではまだ甘酒が残っていて、町内会の人が振る舞ってくれた。ありがたいことに、役員の方々が大晦日の夜から準備してくれるそうで、焚火であたためた甘酒は、舌が火傷しそうなほど熱かった。

今年も、このブログを楽しみにしているという年賀状を何通もいただいた。
たとえお世辞でもそういわれるととてもうれしい。
なかには「一人でみんなつくってるの?」と、なんだか懐疑的な賀状もあったけれど、
ホント、写真も俳句も記事もみんな私一人でつくっているのです。
なので、みんな揃えるのがなかなか大変で、書きたい内容はあっても、俳句ができなかったり、写真が撮れなかったりして、なかなか更新できない月もありますが、かんべんしてください。
楽しみにしてくれている読者の方がいる限り、今年もがんばって続けていきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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未分類 | 09:35:54| Trackback(0)| Comments(4)
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